高級物件のラインナップ
企業にとって所有している価値もないが、市場で売却しでもあまり高く売れない資産、前記の図でにある資産については、すでになんらかの対策を考えているものと思われます。
これらは使用価値も正昧売却価額もあまり高くないため、ここに属する資産の多くは減損対象資産となっている可能性が最も高い資産であると思われます。
企業にとって減損対象となっているこれらの資産が悩みの種となっており、なんとか売却できないかと考えていると思われます。 しかし、これらの資産は市場価値も低いため、なかなか売却が難しいのが現状です。
最後に左上のに属する資産は、企業にとっては価値があるが、市場価値は低い資産ですが、これは売却を考える優先順位は低い資産となります。 このように考えてみると、多くの企業は減損対象となっている資産、すなわち、左下にある使用価値も市場価値も低い資産の処理に頭を悩ませていると思われます。
しかし、本当に保有の意昧を考えなければならない資産は、実はその右にある資産、すなわち市場価値が高く、使用価値が低い資産なのではないでしょうか。 減損会計では、減損の兆候→減損損失の認識→減損損失の測定の3段階で判断します。
前述したとおり、保有の意味を考えなければならないの資産は正味売却価額が高いため、赤字事業に供されている場合は別として、通常、減損の兆候にも該当していない場合が多く、企業の中ではそのまま放置されている可能性があります。 これらの資産の効率的運用を考える場合には、減損会計から一歩踏み込んで、減損の兆候がない資産についても、当該資産の市場での価値で、ある正昧売却価額と当該企業が使用することによって得られる価値である使用価値を算定し、「正昧売却価額>使用価値」となっている資産については、保有の意味を検討する必要があると考えます。
本書が主にテーマとして述べているのは、不動産業を主業とする会社を除く一般事業会社で、上場会社ないしは上場を目指す会社です。 オーナ一企業や個人については、不動産を保有することによるメリットが多いことは上場企業と異なります。
会社形態をとっていても、その株主から保有している資産の企業価値への影響を問われることは少ないで、しよう。 また、不動産が、相続税評価額と時価との事離から相続税対策や事業承継対策として、なお有利な資産であるといわれていることも見逃すことができないでしょう。
さらになんといっても先祖伝来の土地であったり、創業時からの土地や思い入れのある不動産であれば、それを守り維持していることがむしろ目的化することも十分理解できることです。 この最後の点については、上場企業ですら、多かれ少なかれ見られる傾向です。
このことに関連して、減損会計のコンサルティングでお手伝いをしたある上場会社のメーカーの会長さんのことを思い出します。 この会社を一代で築きあげ、上場までした本業はきわめて好調でした。
しかし、減損会計の導入で、保有するゴルフ場の評価損を計上せざるをえなかったのです。 最初は、当社の提示したゴルフ場の評価額が簿価に比べきわめて低額だったために納得されず、自らコースを案内していただき、あたかも自分の子供に対するような慈しみぶりで、苦心を説明されていました。
しかし、合理的な目からみた評価額は変わるべくもなく、最後は十分納得していただいて、他社よりもむしろ早く減損の計上を決断されました。 減損会計の強制適用を契機に、不動産の保有について見直しをしている企業は以前に比べて増えていると思われます。
しかし、多くの企業は、本業がかなり不調であったり、予期せぬ損失が発生し、売却等を考えざるを得ない事態に陥って初めて不動産の保有を見直す、あるいは考える、というのが通常のケースではないで、しょうか。 上場企業の場合には、常に株主からの視線にさらされていると考えなければなりません。
異常な事態が発生したときにだけ保有の意味を考えるのではなく、常に不動産の価値を把握することが求められているのではないかと思われます。 株主と経営者の間に健全な緊張感が常に求められる時代です。
株主に代わって経営陣をモニタリング、監査する立場である社外取締役・監査役・会計監査人と経営者との間にも、緊張感を維持できる環境が必要とされています。 このようなプレッシャーの中で、経営者が「企業価値の最大化」という経営の至上命題を果たすための具体的な方策の1つとして、バランスシートに計上されている不動産、とくに土地を企業が保有し続けることの意味をあらためて考えてみようというのが、第2部のテーマです。
一般の事業会社が土地を保有するメリットはさまざまあるでしょう。 確かにうまく活用できれば土地は企業に適正な収益をもたらします。
しかし、保有する不動産が生み出すリターン(投下資本利益率)が資本コストを下回っている場合には、企業価値向上の足を引っ張りかねません。 企業価値を向上させるための唯一絶対の条件は、投下資本利益率が企業の資本コストを上回ることだからです。
企業の財務面に着目した場合には、その保有目的・利用方法のいかんにかかわらず、土地を保有することで企業は一定のリスクを抱え込むことを覚悟しなければなりません(第2章)。 土地という資産の特性上、価格下落リス夕、流動性リスクは避けられなー功ミらです。
わが国において土地は高額であるため、前記2つのリスクは企業価値の根本に重要な影響を及ぼすことがあります。 基本を押さえた上で、第保有不動産のリターンおよびリスクが企業価値に与えかねないマイナスの影響を考察し、保有する土地をあえてオフバランス化することで企業価値の創出が可能となることを、理論・実務双方の観点から説明します。
含み損となっている保有不動産のオフバランスによって節税効果というボーナスを得られることを説明します。 このボーナスも企業価値の向上に一役買います。
視点を少し変えて、保有不動産のオフバランスによって得たキャッシュの使い道について説明します。 オフバランスの効果だけでなくオフバランス後のビジョンも明確に示すことが、バランスの取れた経営には必要不可欠と考えるからです。
そもそも「企業価値」の正体は、一体何なのでしょうか。 現在の主流の考え方では、DCF法に基づいて、将来にわたって企業が生み出すキャッシュ・フローを現在の価値に割り引いた額(事業価値といいます)に、非事業用資産の価額を加えて算出したものが、企業価値であるとされています。
そして企業価値から有利子負債を差し引くと「株主価値」が算出されます。 一方で、「時価総額(株価×発行済み株式総数)」の最大化を指向する株主利益重視の経営こそ、経営者の使命とする説もあります。
しかし、株主価値と時価総額は似て非なるものであり、明確に分けて認識をすべきです。 株主価値が企業の本質的な経済的価値を表しているのに対して、時価総額はある時点の株式市場における当該企業に対する評価を意昧しているからです。
株主価値と時価総額は常に釣り合っているわけで、はありません。 たとえば、経営努力によって企業価値を向上することが可能であっても、現時点の株式市場における評価がそれに見合っていないために、株主価値に比べて時価総額が相対的に低いケースもあります。
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そして企業価値から有利子負債を差し引くと「株主価値」が算出されます。 一方で、「時価総額(株価×発行済み株式総数)」の最大化を指向する株主利益重視の経営こそ、経営者の使命とする説もあります。
しかし、株主価値と時価総額は似て非なるものであり、明確に分けて認識をすべきです。 株主価値が企業の本質的な経済的価値を表しているのに対して、時価総額はある時点の株式市場における当該企業に対する評価を意昧しているからです。
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